8月28日午前8時54分、沖縄県の粟国空港(あぐにくうこう)で第一航空101便(那覇→粟国)が着陸時に滑走路を逸脱してフェンスに激突しする事故が発生しました。乗客11名・乗員2名のうち、12名が軽傷を負い、島内の診療所で手当てを受けたとのことです。また、事故当時は機長昇格訓練中でした。(読売新聞NHKTBS時事通信など)

事故により8月31日まで空港は閉鎖されていましたが、9月1日に運用が再開されました。しかし、第一航空の定期便は今現在も運休中となっています。(2015年9月9日現在)

事故機について
カナダのバイキング社製DHC-6-400型機「ツインオッター」です。事故機となった登録番号「JA201D」の機体は第一航空が2015年3月に導入し、訓練期間などを経て2015年8月上旬に運航を開始したばかりでした。

事故機はしばらく粟国空港の駐機場に保管されていましたが、2015年9月8日から解体作業が始まり、船で那覇に輸送されるとのことです。(琉球新報)機体の今後については今のところ明らかになっていません。

沖縄タイムスに掲載されている写真を見る限り、機体は大きな損傷を受けているようです

第一航空について
大阪に本拠地を置く航空会社です。沖縄事業所では離島路線の旅客輸送などを行っています。今回事故が起きた那覇-粟国路線は、他社が撤退した後に第一航空が引き継いだ路線です。(Wikipediaも参照

今年に入って、ブリテン・ノーマンBN-2B-20型機(アイランダー)からDHC-6-400型機への機材変更を行いました。

原因について
事故機は着陸後、ブレーキをかけると機体が右に曲がっていきました。機長によれば「着陸時にブレーキがロックされた音が聞こえた」とのことです。また、空港係員によればタイヤがパンクしたような音が聞こえたとのことです。

産経新聞
は「着陸ミス」と報道していますが、原因が明らかになっていない状況でミスであると断定することは避けるべきでしょう。

機長昇格訓練について
事故当時、機長資格を得るための訓練中だった62歳の副操縦士が操縦していたとのことです。
「旅客を乗せて訓練」ということに違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、機長(教官)+副操縦士(昇格訓練中)という編成が乱れるわけではないので、問題はありません。
この航空会社に限らず、機長昇格の訓練は通常のフライトの中で行われます。(余談ですが、映画「ハッピーフライト」などでも昇格訓練の様子が描かれています。)

事故概略図(位置関係はNHKの空撮映像を元に作成。あくまで推定であり、正確な位置情報ではありません)
Aguni_Accident


粟国空港の位置
Aguni_Airport